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2004.02.21

ミリオン・シティ

先日、小倉伊勢丹がオープンしました。
私たち北九州市民にとって、このことは特別なことなのです。
小倉伊勢丹のことを書くつもりでしたが、まずは北九州市の特別な
事情について書きたいと思います。

私は北九州市の小倉に住んでもうすぐ6年になります。
転勤で来たのですが、ここは全国でもかなり特殊な事情を抱えた
街だというのが実感です。それは北九州市民としての「誇り」と「苦悩」と
いう相反するものを、住んでいる皆が感じているように思うからです。
その「誇り」とは、北九州市は政令指定都市だということ。
現在全国に13ある政令指定都市のひとつに北九州市があり、
100万人という人口を持つ大都市だということが自慢です。
そしてその「苦悩」とは、人口が毎年100万人を割ってしまいそうなこと。
2003年4月1日のデータでは、100万1,397人とのことで、
かろうじて100万都市の面目を保っています。
毎年春の異動シーズンになると、なんとか100万人を割り込まないように
頑張ろうと、北九州市ではあの手この手の作戦が展開され、
新聞の紙面を賑わせます。それはもう涙ぐましい限りです。

ここ数年の北九州市はあまり明るい話題がありませんでした。
小倉伊勢丹がオープンした場所は、元々小倉そごうがあったところでした。
そごうが破たんして、北九州市では2000年12月に小倉そごうと
黒崎そごうの2店が閉店しました。そごうの戦略として、駅と建物をつなぐ
高架歩道広場(ペデストリアンデッキ)が挙げられますが、そのそごうが
閉店したため、駅前にはポッカリと寂しい空間ができてしまいました。
その後、老舗地元百貨店の小倉玉屋が移転して小倉そごう跡に入った
ものの、2002年12月に閉店してしまいました。奇しくもどちらも閉店
する日が12月25日だったこともあり、クリスマスの悪夢を見ているか
のような気分でした。北九州市の副都心といわれる黒埼は、黒崎駅前の
黒崎そごう跡地に、これまた地元百貨店の黒崎井筒屋が移転して
健闘していますが、その黒崎駅前の両翼を担っていた複合商業施設の
コムシティが開業してわずか1年半の2003年6月に閉店してしまいました。
第3セクターであるコムシティの閉店は、北九州市の行政の責任も
問われています。いわゆる「箱物行政」への批判です。
北九州市の3セクにはAIM(アジア太平洋インポートマート)もあります。
AIM(←エイムと読む)は、小倉駅北口側(通称裏口)にある巨大な
建物です。輸入促進施設であるAIMの核テナントに元々ヤオハンを
予定していたのですが、開業直前にヤオハンが倒産して、核テナントの
ないままに1998年オープンとなり、現在大塚家具などは入っている
ものの、未だに空きスペースの目立つ建物で、累積赤字も大きな問題に
なっています。

とはいえ暗い話題ばかりではありません。明るい兆しも見えてきています。
それがリバーウォークであり、今回の小倉伊勢丹のオープンです。
リバーウォークは2003年4月にオープンした大型複合施設。
シネコンやショップ、レストランなどが集まったショッピングモールで、
キャナルシティ博多と同じところが手掛けています。リバーウォークは
小倉城の隣にある奇抜な建物群ですが、今では小倉の景観に一役
買っています。また紫川沿いに建っているので、市民の憩いの場所
にもなっています。オープンした当初は、また無駄に大きな施設が
できたかと思われましたが、小倉にキャナルシティがやってきた
ような感じで、博多まで行かなくても同じ雰囲気を味わえることもあり、
けっこう賑わっています。

そして今回の小倉伊勢丹が、停滞する北九州市の景気を回復して
くれるのではないかと北九州市民は期待しています。
博多や天神にもない伊勢丹が小倉にできたことは、福岡市への
一極集中という人の流れを変えるきっかけになるかもしれません。
小倉伊勢丹がオープンすることで、小倉の駅前に再び活気が
戻ってくることを皆が期待しています。その期待の大きさは
並々ならぬものがあり、あまりに過度な期待は伊勢丹にかなりの
プレッシャーを与えることになりかねません。所詮は一百貨店
ですから、それだけで景気が回復すると思うのは間違いです。
今回の小倉伊勢丹がオープンするに当たり特徴的だったのは、
「共存共栄」がテーマになっていることです。地元の百貨店や
商店街から、小倉伊勢丹に客を取られると批判が出るのが
ふつうですが、今回はそういった批判は出てません。
むしろ小倉伊勢丹がオープンすることを皆が歓迎しています。
それは博多への人口流出を食い止め、さらに山口や大分など
他県にまで北九州の商圏が拡大することを期待しているからです。

これからが新しい北九州の始まりです。
いかに魅力のある街づくりをするか?それができなければ
せっかくの「箱モノ」を生かすことができません。
北九州に足を運びたくなるような魅力をいかに育てるかが
これからの課題です。観光地の必須条件は「歴史」だと
私は思います。文化の積み重ねが、歴史になる。
北九州発の文化を育てていきたい。
このblogを通じて、北九州の魅力を伝えていけたらいい。
この街に住む私に発信できるものを、ここから伝えたい。

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