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2004.10.05

コスモスとオルゴール(中編)

3年前に書いた日記。
(以下原文そのまま)

2001年10月5日の日記
「コスモスとオルゴール(中編)」

[オルゴール篇]

「カノン」というクラシックの曲がある。
心が落ち着くような優しいメロディで、オルゴールの定番
にもなっている。「カノン」は私たちをつなぐ大切な曲となった。

始まりはある映画だった。
プロポーズする半年前のこと、私たちはその映画を見た。
正確に言えば、ビデオを借りて家で見たのだが、その時私は
どうしても彼女とその映画を見たかったのだ。ちょうどその頃、
私たちは2人の今後について考える時期に差し掛かっていた。
何らかの意思表示をしなければならない。
私はその映画に想いを託した。

それは名作と呼ばれるものではないが、私にとっては特別な
映画だった。その映画の中に老夫婦のエピソードがあり、
それを彼女に見てもらいたかった。お互いガンに侵された
老夫婦が、最後の面会をするのだが、そのときお爺さんが
お婆さんにぽつりぽつりとこんなことを言うのだ。
「……お前と出会えた、この人生に……感謝するよ。……」
これが私の結婚観だった。こんなふうに言える人生を送りたいし、
こんなふうに言われる人生を送りたい。私は彼女にこう言った。
「あんなふうなお爺さんとお婆さんになりたい」と。
これがある意味、私のプレ・プロポーズだった。
そして半年後の彼女の誕生日までにプロポーズすることを、
彼女に告げた。

老夫婦のエピソードに印象的に使われていたのが、
「カノン」のオルゴールだった。私は彼女の誕生日に「カノン」の
オルゴールをプレゼントしたいと密かに思った。
きっと喜ぶだろう。そしてプロポーズをするのだ。
私は「カノン」のオルゴールを探した。

デパートなどを回るがなかなか見つからなかった。
おもちゃのようなものならあるが、私が探していたのは
木製の箱に収められたいわゆる普通のオルゴールで、
それがなかなか見つからない。いろいろ問い合わせた結果、
大宰府のオルゴール館にあることが分かり、休みを利用して
そこまで出掛けた。お店の人は親切にいろいろとオルゴールに
ついて教えてくれた。そして「カノン」のオルゴール。台の上に置き、
そっとオルゴールの箱を開き、流れ始めたその音を聞いた時、
「ああ、私が探していたのはこれだったんだ」と思わずには
いられなかった。それほどにやさしい音色だった。私が買ったのは
スイスのリュージュ社製36弁ムーブメントのオルゴール。
あのとき見た映画の中のオルゴールの音が聞こえる。

(おまけ)このオルゴールはその後、彼女の出産直後に
また2人で聞くことになる。出産当日にオルゴールを
持ち込もうとしたが見つからず、おかしいなと思っていたら
彼女も同じことを考えていたらしく、先に彼女が持ち込んで
いたことが分かった。出産直後の分娩室で、2人っきりで
「カノン」のオルゴールを聞いた。
我が家の歴史は「カノン」とともにある。

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