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2007.01.22

「若冲と江戸絵画」展

九州国立博物館で開催中の「若冲と江戸絵画」展
見に行ってきました。江戸絵画といってもほとんど知識が
なく、それまであまり興味もなかったため、自分がこのような
展覧会に出かけるとは思ってもいませんでした。

正直に書くと、九州国立博物館に行ってみたかったというのが
本音です。おととしオープンしたときの特別展「美の国 日本」に
行きたかったのですが、ジョン太が妊娠中で、人の混雑も予想
されたので、その時は大事をとってあきらめることにしました。
以来実はずっと九州国立博物館に行く機会を狙っていました。
小倉に住む私たちにとって、大宰府はやっぱりちょっと遠い距離
なのです。どうせ行くなら興味のある展覧会を見てみたいでは
ないですか。

「若冲(じゃくちゅう)」って面白いらしい。
少しずつ耳に入ってくる話に興味を惹かれました。どうやら私が
今まで思っているような江戸絵画ではないみたいだ。それなら
見に行ってみようと決めました。

実際見て驚きました。こんな絵があるなんて!こんなに想像力
を刺激する絵が江戸時代に描かれていたなんて!絵の前に
立つたびに、あ!こんな表現もアリなんだと、感心すると同時に、
その自由な感性に強く惹かれました。

私が特に感心したのは、異質な表現の組み合わせ。
例えば若冲の「猛虎図」。背景は大胆に省略され、伸びやかで
勢いのある筆づかいの墨絵。それに対して虎の姿は鮮やかで
精緻な筆づかい。近寄ってみると毛並みまではっきり見える
のに、全体はデフォルメされたユーモラスな虎の表情とポーズ。
背景と虎の姿、虎の細部の描写と全体のデフォルメ具合。
それらが響きあって、とにかく楽しい。墨絵の背景から
浮かび上がる鮮やかな虎が私たちの目を引きつけます。
今にも動き出しそう。決して写実的ではないのに、なぜそう
感じるのでしょう。こんな絵は今までに見たことがありません。
でもこれは写真ではできない、絵でのみ表現できること。
あり得ないものが今ここにある。それがとても楽しかったのです。

今回の展覧会では、江戸時代の画家の自由な精神に触れる
ことができたような気がして嬉しかったです。今を生きる私たちは
息苦しい毎日を送ってるのかもしれませんね。自分と同じものを
他人に求め、そしてまた自分も他人と同じでありたいと願う、
等質であることを強いる社会のありかた。自分も周りも、同じ
色づかい筆づかいで塗り込められているような窮屈な時代を
生きているのかもしれないなんて、ふと思ったりしました。

もっと自由であっていい。背景は大胆に省略したっていい。
伸びやかに心を軽く、見る人を楽しくさせるような生き生きした
人間でありたい。そんな気持ちにさせてくれた展覧会でした。

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コメント

ご来館ありがとうございました。
このページで、江戸絵画にあまり興味がないと書かれていましたが、今回の特別展にはそのような方にまず作品の色や形を楽しんでいただこうという意味も込められています。お楽しみいただけたコメントをいただいて嬉しく思います。
2月6日から後期の展示もありますので、どうぞご期待下さい。

投稿: 九州国立博物館 畑靖紀 | 2007.01.27 17:07

コメントありがとうございます。
今回の特別展とても楽しかったです。見に行って大正解でした。
実際にこの目で見なければ分からないものもたくさんあるんですね。
WEBや印刷物で見るだけじゃ、あの筆づかいは分かりません。
本物に触れる大切さをしみじみ感じました。
ありがとうございました。

投稿: タオ | 2007.01.28 08:04

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